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漆とともに育てたいのは、漆の里山のアイデンティティ
漆を植え、育て、モノを作り、使う-漆文化のはじまりの地とされる曽爾村に、かつてあったであろう、漆のまわりでめぐる健やかな暮らし。そんな暮らしは、豊かな自然や季節の農作物とともに訪れる人々をも歓ばせる、村の大切な宝となるはずです。やがて曽爾村には、いにしえの時代に見られたであろう、紅葉が美しい漆の森の景色も広がっていることでしょう。それが、漆の里山の懐かしい未来像です。
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村内外の人々が分かち合う、
漆とともに季節がめぐる村の暮らしと、
懐かしい村の景色という未来
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村づくりは暮らしづくり-全方向からの取り組み
「漆とともにある里山の暮らしと風景」を取り戻すことは、ひいては村づくりの取り組みです。村内外の人々が、漆を植え、育て、使うところまでを経験し、身近に感じることができる接点を提供します。また、漆の植栽・育成は、村の森を保全する林業のスペシャリストが担当。村の多くの住民が自分ごととしてそれぞれの役割を果たし、村外のサポーターの協力を得ながら、一丸となって取り組みを進めています。
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曽爾村役場
官民一体でチャレンジ。暮らす人も訪れる人も、漆を誇れる村へ
- 行政としてプロジェクト全体を支え、持続的な活動のための舵を取る
- 村の外の人にも開かれた窓口となり、新たな仲間づくりにつなげる
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NENRIN
漆をもっと身近に。暮らしの中に漆が溶け込むためのきっかけづくり
- 漆の木を使った染めものや木工の体験
- 日常の食器を漆でなおす「漆継ぎ」サークル
- 漆の魅力をみんなで共有できるような勉強会
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曽爾村森林組合
林業として担う、健やかで長期的な漆の森づくり
- 漆の植栽や育成管理を、林業の一環として中心的に担う
- 草刈りや獣害について計画的な対応策を練る
- 山主に積極的にアプローチし、新たな植栽地を増やす
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SONI experience
村の外側と内側をつなぎ、日本の文化と里山暮らしを世界に発信
- 国内外から訪れる旅行者を案内し、曽爾村の漆文化を伝える
- さまざまな体験プログラムを通じて、旅行者と住民の交流を図る
- 海外へ向けた積極的な情報発信
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曽爾から、奈良の都へ-夢は、いにしえの漆の流通を復活
日本の漆文化を守るため、国宝・重要文化財の修復に使用される漆は国産であるべしと文化庁が15年に通達したことを受け、全国で国産漆の栽培が活発化しています。曽爾村でも、将来的に奈良県の文化財修復用の漆を供給していくことを目標に、様々な角度から村ぐるみの取り組みを始めました。かつて曽爾の漆が平城京を支えたように、奈良の文化を支えたい。大きな夢が、原動力になっています。
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平成20〜26年度実施の重要文化財〈當麻寺奥院本堂の修理の様子(奈良県文化財保存課建造物係の落合さんより)〉。材木の腐食を防ぐため漆は多くの文化財修繕に使われていますが、国産の漆がないためやむなく外国産の漆を使っている現状があります。そんな状況を打破する一歩になれたらと思って、漆の植栽を進めています。
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村内のあなたも、村外のあなたも、参加できます。
「ぬるべの郷」曽爾村では、数々の漆に関わる取り組みを、不定期にて年中開催しています。下記のイベント名をクリックして詳細をご覧のうえ、どなたさまもお気軽にご参加ください。